いつか見つけてね。
「携帯鳴ってる?

ほら、出ないでいいの?



もしかして、彼氏からじゃないの?」


私が携帯を見るとそれは史君からだった。


「あっ、史君からだ。




兄なんです。


今日私の親友とデートしてて。」


そう靖枝さんに言ったあと私は携帯を耳に当てた。



「もしもし、楽しくやってる?」

史君と話すと安心する。

でも、私の声色がちょっと違うのをすぐに気付かれてしまった。


「うん、一緒じゃないんだ。

でも、すごく優しいお姉さんに会ったの。

うん、で一緒にご飯食べてる。」


靖枝さん、優しいお姉さんだなんて!なんて私の方をバンバン叩いてる。


「もう、おばさんよ。

あなたより年上の子供がいるんだから」

でも、全くそんなふうに見えないです。



「うん、ここ何処だろう?」


すると、

「滋賀にいるのよ。

知らなかったの?」



って言われて寝てる間に遠くまで来たんだと驚いた。


「今からドライブがてら迎えに来てくれるって。

京都にいるから時間かからないみたいです。」


すると、それまで私が付き合ってあげる、と言ってくれて二人で歩いた。


史君との電話の時に携帯が鳴ってたけど、多分今は出たくない相手だったからそのまま返事しなかった。
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