いつか見つけてね。


美穂を返してしまい、俺もすぐ後を追うつもりが

またしてもこの鈍感親父に捕まってしまった。


もう、日はくれてここは肌寒い。


母さんを放ったらかして、車からおろしてすぐに美穂のところへは行けなかった。


体が弱い彼女だから、病気すると大変だ。



「おう、やっともどったか。


彼女先に失礼するって帰ったぞ。


全く、お前はもっと気が回らないかね。」


父さんが俺に説教じみた口調で話す。


「お父さん、光信のこと私が引き止めちゃったみたいね。


仲の良いカップルが言い合いして 喧嘩なんて 


可愛いわよね~。」


なんて言いながら父さんと母さんが見つめ合ってる。


本当に、呆れるほど仲の良い夫婦。


俺をアメリカに連れて行ったのも、こいつら二人でいちゃつく為じゃなかったのかと思うくらい。


大の大人のバカップルぶり。



「はいはい、あとは二人で楽しめば?



俺は先に戻る。


仕事もあるしな。」



仕事は空けていたがそんなの親父が知る必要もない。


「妹尾に言って仕事あけてもらえ 

仲直りは早いほうがいいぞ。」

もっともらしい返事。


誰のせいでこうなったんだよ。


「そうよ、早く仲直りして会いに来てね。」


すでに部屋から出ようとした俺は後手を振ってそこをあとにした。







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