いつか見つけてね。


もうあと少ししかタミーと過ごす時間がないんだな。


夜景の見えるレストランで食事をする俺達。

このホテルのスイートでタミーは泊まる。



だから、送る必要もないと二人でワインを飲んだ。


昔はジュースだけだったのに、年が過ぎたのを感じた。




周りから見るとどう映っているのだろうか。

外人と一緒にデレデレとしたバカ男に見えるのか。


久しぶりにあった彼女をさっきから女としてかなり意識していた。

お酒を飲んでいるからかもしれない。

タミーの赤みがかかった顔が愛おしくなる。




その時携帯がなる。




「ミンからだ。

は~っ、ちょっと待ってて。」



足早に立ち上がり席を外す彼女を見送ると他の客がみんな彼女のことを目で追っていた。


そうだ、彼女は世界的スターなんだった。

それが、こんなところで俺と食事しているなんて、



噂にもならないか。



「史也、今日はすごく楽しかった。






....。





あのね。」


「ああ、俺も楽しかった。

久しぶりにタミーにあって、いい女になっててびっくりしたよ。」



お酒が入っていたのかこんなことをサラッと言ってしまった。


最後は楽しく別れようと思っていた。


下を向いて恥ずかしそうに彼女がポツリとつぶやいた。


「部屋まで来て....ほしい。」


俺の理性が少しずつ音を立てて崩れた。


「えッ?



何言ってるんだ。

それが




どういうことか。」


「わかってる。」


そう言って俺を上目遣いで見た彼女に俺はもう彼女を欲しているんだ。













お互いに視線を逸らさずに


「いいのか?」

彼女が頷いた。
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