いつか見つけてね。


このベーカリーの限定ワッフルは朝からタイミングが合わないと買えないっていう代物。


クルーズで食べたワッフルを美穂が喜んで食べてたから今日はいつもなら誰かに頼んで手に入れてもらうのに俺自ら足を運んだ。


そういえば、昨日来たんだよな。


毎日通ってる。


カウンターに立つ店員が俺のことを覚えていてくれたみたいで

「すいません、ワッフルを。」


もうグラスケースには残っていなかったから無いのかと思いながらも尋ねると


「お待ちください。

厨房に確かめてきます。」


そう言ってくれて安心した。


そして


「あと5分ほどで焼き上がります。


お待ちになられますか?」



と言われたので、はいと返事して椅子にかけて待った。


そこに女子大生のグループみたいなのが入ってきた。

なんせ朝からテンションが高い。


その中に美穂の友達の真由がいた。


「お久しぶりです、こんなところで会うなんて珍しいですね。」

他の友達から離れて俺のところへ一人で来た真由を友達が見ている。


「そうだな。」

「美穂のこと、もういいじゃないですか。

彼女を悲しませないで。


大人の遊びに付き合えるような、そんな娘じゃないのよ。」


「俺は真剣に彼女を愛している。

だから、悲しませるようなことはしない。


信じてくれ。」

「そんなこと、口では言えるわよね。」


彼女は俺のことを全く信用していない。
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