いつか見つけてね。
「もっと早く来るかと思っていたのに。」

配達員にそんな口調ですごく馴れ馴れしい。


「ほら、入って。」


わざわざ配達員が家に入ってくるほどの物を頼んだんだろうか?


なんて興味津々で玄関の方を見ると

あっ、


濱野さんが紙袋を持って入ってきた。


私はどうしたらいいのかわからずに、濱野さんが私を見つめたけど目をそらした。


「ごめんね、驚いた?


なんか光信話があるみたいでね。


それより、早く食べよう。



コーヒー入れるね。」


アキラさんがキッチンに立ち濱野さんがダイニングテーブルに紙袋を置く。


「美穂の好きなワッフル買ってきた。


お皿持ってきて。」

私は無言でアキラさんのいるキッチンへ行きお皿を出す。


そして、冷蔵庫に入っていたフルーツサラダを出すと一緒にテーブルにおいた。









コーヒーを飲まない私には紅茶。

アキラさんは頂きますってワッフルを食べだした。


だから、私も濱野さんも食べ始める。



二人が仕事の話を始めた。と言っても具体的なことじゃないから私が聞いていてもわかるくらいの。


アジアの話はさすがにアキラさんも知っていたみたいで


よくやるわね、って感心していた。


その濱野さんがいなかった空白の時間をずっと仕事していたんだって、

一生懸命さが伝わってきた。


「まさかあんたが出向先変えてたなんて知らなかったからね。

で、いつになったら本職に戻るつもり?」


本職?転職?


彼は一体どんだけ仕事をしているんだろう?


色々と知りたいけど、もう今更聞くことなんてできないから二人の会話をただ聞いていた。




「ちょっと私タバコ買ってくるから。」


そう言ってアキラさんが私と濱野さんをおいて出て行ってしまった。





二人っきりは場が悪い。
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