いつか見つけてね。
朝起きるとタミーはすでに荷造りを始めていていく準備にとりかかっている。

「おはよう。



本当に行っちゃうんだね。

寂しくなるよ。」


「そんなことないよ、美穂には濱野さんがいるじゃない、それに友達もいるし、史也もいる。

うらやましいよ。


私は、ミンとダンサーと一緒にずっといるだけだもん。


大学がんばってね。」


タミーは寂しそうにそう言った。

「また、遊びにきたらいいよ。

その時は必ず連絡ね。」


空港でタミーは特別室で待機させてもらっていた。


私は史君と彼女を二人っきりにしてあげた。


「好きな人が側にいないのって寂しいですね。それって私がまだ子供だからそう思うんでしょうか。」

そう濱野さんに言うと

「寂しいのに大人も子供もないと思うよ。

俺は、美穂が側にいないと寂しかった。」


濱野さんの繋いでいる手に少し力が入った。


「濱っちさん。」


「もう、あだ名じゃなくて、名前で呼んでくれないか?

あの時に呼んだように。」


なんていいながら昔を思い出しているみたいに私の目を見つめる。

すると、私の顔が熱くなってきて火照っているのがわかる。


「恥ずかしっ。」


初めての時に何度も名前を呼んだ。その事を言っているんだ。


忘れられない思い出。


「光信さん。」


そういうとにっこりと微笑んだ。











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