いつか見つけてね。
そんな、奢りなんて言われると、みさえと香織は黙っていない。

苦学生のみさえはバイトをしているし、寮住まいを辞めるつもりもないし、

自宅通の香織は実家の負担を軽くするためにここに残ったって言ってたから。


ただで酒が飲めるということがどんだけ彼女たちの魅力なんだろう。




「いいんですか?


初めまして、私、山元みさえって言います。


前に合コン行けなくて残念だったなーって思ってたんです!


智に連絡しますね。じゃないとヤキモチ妬かれても困りますし。」


なんて言っちゃったから、そっちの男二人組もニコッと笑ってさ~行きましょう、なんてことになってしまった。




は~っ、私がため息ついてるのを見たみさえが


「今日、美穂んち泊まるから帰ったらダメよ。」


なんて釘を刺されてしまい、仕方なく私はトボトボとその後ろをついていく。



この借りは返してもらうからねっと一人呟いてた。



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