いつか見つけてね。


あれから本社の方へ通いだした。

年明けから俺が水友の当主になるからいろいろと会社のことを知る必要がある。


いろんな人と会食する予定がたてられていた。


だから毎日のように新しい顔を覚えていく。




就任式の時に全く知らない奴が水友の上にたつということはさせたくないと親父が予定立てているのだ。




今日は、倉梯財閥との会食があった。



だから久しぶりに母さんも保養地から出てきてくれた。


「ひさしぶりね、滋賀でせっかくのんびりしていたのに、



まっ、

光信とパパのために一肌脱ぎますか。」


社長室に入った途端、母さんが口を開けた。



「輝夫君、お久しぶりね。


光信がお世話かけてるんじゃない?


ビシッと言ってやってね。」


母さんにかかるとみんな言いやられる。


「靖枝、あいつらの事は放っておいて、今からランチに行こう。


どこに行きたい?

新しく出来たフランス料理の店はどうだ?」



親父は相変わらず母さんにベタぼれで母さんがいると仕事にもならない。



「今は仕事が先でしょ、

大友君が困ってるじゃないの。



終わってからね。」



親父を止められるのは母さんだけだ。


倉梯財閥は今では広報と言えばというほどのマスメディアに影響を与える財閥だ。


だから、倉梯康との会食はそれは無視して通れない大事なものだった。














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