いつか見つけてね。


クリスマスの予定を妹尾に聞くと

「昼までは抜けられない仕事がありますが、そのあとはどうにかなりそうですね。




なに、美穂ちゃんとデートって?



全く、お前がクリスマスに彼女と過ごすなんて思ってもいなかったよ。



で、次の日も休みにしたいんだろ?



なら今週はびっしりスケジュール入れさせてもらうからな。


覚悟しとけよ。」


「ああ。わかってるよ。


悪いな。」


「へいへい、わがまま社長のおもりは疲れるよ。」


二人でいるときはいつものような気楽な関係でいられて仕事もスムーズに進む。



そこに、


「失礼します、妹尾さんにお電話がかかっております。」


とまりなが入ってきた。


まだこいつは俺の周りをチョロチョロしている。


妹尾が頭を下げて部屋を出たのにまりなはまだ居座っている。



「何か?」


そう言うと


「あと、もう10日もありませんね、光信さんの就任式。」

と言いながら一歩俺の方へ近づいた。


「それで?」


「……、



うちの両親が是非その前に挨拶をしたいと。」


「なんのために?





社長とはすでにあって話をしたはずだけど?」


もう、いろんな社長と話をしているから大体の大物とは話が済んでいる。


「私の婚約者としては話をされていませんよね。


光信さんのお父様は私のことを娘のように思ってくれています。

社長になって仕事が忙しくなる前に時間を。」



「前にも言ったはずだ、俺はお前と結婚するつもりなど全くないと。


俺には好きな人がいる。

だから、お前も誰か他の奴と幸せになってくれ。」



「私の幸せはあなたと結婚することです。」


その時ドアがノックされ、カチャリとドアが開いて妹尾が


「あっ、失礼しました。」


慌ててドアを閉めた。






あー、ややこしいな。








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