いつか見つけてね。
すぐに本を閉じ、ベンチから立ち上がって真由と去ろうとする私の手を彼が掴んだ。


「美穂、






ちょっと待って。」


私の困った顔を見た真由が


「あんた誰?

気安く触んないでくれる?




変なナンパ男なんて美穂は相手しないんだけど。」



「高校時代のともだち、


なっ?」


そう言うと私の顔を彼が見る。




元カレ、


伊藤秀樹、


初めてキスした相手。


初めて失恋した相手。







もう思い出したくない高校時代。






どうして今頃。
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