いつか見つけてね。
編入で入った高校。
アメリカから帰ってきたばかりで、校風に少し馴染めなかった。
上辺だけはみんな優しく接してくれる、でも友達にはなれなかった。
そんな時、秀樹が私の前にやってきた。
人気者でスポーツも勉強もできるそんな彼が私に話しかけてきた。
驚いた、周りのみんなも驚いてた。
どうしてあの地味な子が?秀樹は誰のものでもないのに。
それから風向きが変わった気がした。
上辺だけの友達が、私と仲良くなろうと私の中にズケズケと入り込もうとする。
アメリカでもその勢いに私はついていけなかった。
時々タミーに相談した。
タミーは家族ぐるみで付き合いがあったから本当の友達だった。
戸惑ってそのことを秀樹に言って話しかけるのやめてもらおうとしたら
「俺は美穂ちゃんが好きだよ。
俺の彼女にならない?俺が守ってあげる。」
頭の中で考えてもみなかったことだったから、
「どうしていいかわからない。彼氏とかいたことないから。」
そう返事すると
「じゃ、友達から。
そんな堅苦しく考えないで、
俺が美穂ちゃんの一番近くにいる男子ってことで、それならいいだろ?」
「ともだ..ちなら。」
そう返事して、それから付き合いが始まった。
すごく心地良い関係が続いていた。
それから友達から彼氏になるのに時間はかかったけど秀樹は私と同じでいてくれるんだと思ってた。
それなのに。
3年の2学期にあんなことを言われた。
それから私は逃げていた。
その気持ちから解放されたくて、新しい土地で、初めて経験した。
これで秀樹から卒業できた。