いつか見つけてね。


ついたのは前に訪れたケインのところ。

アキラさんに木箱は車においていくように言われた。

アキラさんが大きな紙袋を抱えて車から出た。



ケインはオフィスにいるみたいで、店には出てないみたい。


でもお店はたくさんの女性で溢れている。


みんな綺麗にしてクリスマスを彼氏と過ごすんだろうな、なんて思っていると。


フロントの女性の前で

「ケインは?」

と尋ねる。

「今日は予約でいっぱいですが、アキラ様、予約はなさっておりませんよね?」


アキラさんは馴染のようにフロントの女性と話したあと

ツカツカとオフィスの方へ歩いていく。


私はみんながいる待合室でアキラさんを待とうとすると


「美穂、何してるの。早くこっち。」


そう言って私を手招きする。

だから、すこし焦った様子のフロントに少し会釈してそのままアキラさんの後に続いた。

みんなが私達を見ている気がする。


アキラさん相変わらず強引。



オフィスを開けると

「今忙しいだろ、ノックしろ!」

と書類に目を通しながら机に座って怒鳴ったケインがいた。


「あら、悪かったわね。

ちょっと時間割いてくれない?」

「あ゛ー?」

ケインが顔をあげるけどかなり怒ってるみたい。


「光信から大事な美穂ちゃん預かってきたんだけど。

無理ならどこかほか当たるわ。


お邪魔し「おい、待て。」

体を翻したアキラさんが私にウィンクした。

何が起こったのかよくわからないんだけど


「美穂ちゃん一緒なのか?」

急に口調が甘くなった気がする。


振り返ったアキラさんの隙間から私と目が合うとケインが立ち上がって私の側にやってきた。


< 248 / 322 >

この作品をシェア

pagetop