いつか見つけてね。


「美穂、



付き合ってるんだから、名前で呼んでくれないか。

さん付けされるとすごく距離を感じる。」


えっ、そんなこと



「光信さん、年上だし大人だし。


彼氏だからってそんな。」


言いにくいよ。


「ほら、はじめての時は呼んでくれただろ?


だから、これからはいいよな?」



じっと見つめてくるから


「そんなっ


光信さん!」


て言っても私を見て顔をしかめるだけで何も言ってくれない。


「光信さん?」


首を振られた。



「みつのぶ?」


ゆっくりハッキリと言うと


「な~に?美穂?」


なんてすごくゆるゆるな微笑みで返してくる。

私が何も言わないと

「じゃ、デザート食べようか?」


そう言って立ち上がり、私のおでこを軽く弾いてキッチンへ入っていった。



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