いつか見つけてね。


まだ驚いた顔をしている美穂。


さっきはどんな顔をして俺の髪を撫でていたのかわからないけど今は驚きと風呂上りから美穂の顔が火照っていてすごく艶しい。



「えっ?起きてたの?」

そう言いながら抱き締められてる美穂の声は一気に恥ずかしさを持ったのか赤くなった。


「ああ。

美穂に名前で呼んで起こしてもらいたくて、


寝たフリ。」


上目遣いで申し訳なさそうにを見上げると


「光信さ、



みつのぶ、

ひどいです。」


美穂が口を尖らせている。


その姿も可愛くて


「ゴメンな、


美穂を怒らせるなんて俺は最低だな。」


少しは悪いと思ったけど、あんな美穂の姿も見れて嬉しくて、最低だと頭を垂れると


「あっ、


そんな、光信さん、

あっ


みつのぶ、怒ってるわけじゃなくって



そのっ



あのっ。」



急にしどろもどろになってしまった美穂を見て


「ゴメンな。


お風呂長かったから少しだけうたた寝したのは本当なんだ。」


そう、美穂のことを考えて夢うつつになってたのは本当のことだから。



「私、長風呂しちゃって。」


「リラックスできた?」

そう尋ねると


「はい。

とっても。



ありがとうございました。」



「そっか、良かった。


じゃ、こっち座りな。」


俺は体を起こしてソファーに座ると美穂も隣に座った。

濡れた髪をタオルでまだ乾かしている。


その時美穂が俺をチラッと見るから



「髪が濡れてる。



ちょっとドライヤー持ってくる。」


濡れた髪で俺のことを見る美穂に一気に欲情してしまいそうになって俺は立ち上がってドライヤーをとりに行った。


まるで発情期の同しようもないガキみたいな態度で美穂を押し倒してしまいそうだった。





ドライヤーと冷蔵庫からよく冷えた水のボトルを持って美穂の前に行く。


「飲むか?」



「ありがとうございます。

のどからからだったんです。」


そう言うとゴクゴクと一気に半分は飲んだ。

ダメだ、今はそのボトルを唇に当ててる姿を見るだけで俺の体が熱くなる。


だから気をそらそうと


「俺のぶんものこしといて。」

というと、あっと気付いて


「ごめんなさい。

一気飲みしちゃいました。」

と蓋を戻して俺に渡してきた。


俺はそれを少し口の含んでまた美穂に戻すと髪をドライヤーで乾かしてた。


柔らかい髪に俺と同じシャンプーの匂いが心地よかった。





ケインの野朗いつもこうやって美穂のこと触ってたのかとこの場にいないあいつに少し嫉妬した。
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