いつか見つけてね。
アキラさんの仕事場に見知らぬ人がいた。


「あっ、美穂。

こっち来て。


今日からバイトに入った倉梯君。


ついこの前知り合ってね。


ま、それは別に関係ないんだけど、よろしくね。




っていうか、知り合いって聞いてたんだけど?」


そうって私を見るアキラさんだけど、目の前にいる長身メガネのイケメンに覚えはない。

合コンでいたのかな?

あんまり気をつけてないから覚えてないよ。




「アキラの?


私見覚えがないんですが、」


申し訳なく返事する。


「ウソっ?


覚えてないの、俺のこと?


は~っ、俺はエミのこと覚えてたけどさ?」



エミ?それはすごく懐かしい呼ばれ方だった。


「どうして、その名前を?」


「美穂って呼ぶとアメリカじゃ,ME-HOだから嫌だって言ったじゃないか。


だから、頭文字のエムからエミになった。



これで思い出した?」



「.....

倉梯君?



ガクト君?」


「ピンポーン!


正解。


美穂は変わんないね。

史也さんが言ってたとおりだ。」


「えっと、


あの花は岳斗君が?」


「おお。

エミ昔から花好きだっただろ?」


「うん。ありがとう。」

どうして私のことそこまで覚えてるんだろう


「今、どうしてオレがエミのこと覚えてるんだって思った?」


「えっ??








うっ うんっ。」


「史也さんところよくお邪魔してたんだよ。

エミはタミーとばっかりいたから知らないかもしれないけど。」


「そうだったんだ。」


「ということで、アキラに話したら人手足りないっていうからさ。


バイトすることになったんだ。」


「へ~、そうなんだ。」


アキラさんがブツブツと


「ケインに頼み込まれて手伝う事になったんだよね。」


そっか、ケイン仕事場の人怪我したって言ってた。



「あとは、美穂から聞いて、あとスタッフもいるから何かあったら連絡ちょうだい。


じゃーね。」



そう言うとアキラさんは会社を後にした。



「じゃ、よろしく、エミ。」


そう言って手を差し出すから私も手を出して握手した。


それから仕事しながら昔の懐かしいアメリカの話をした。


「ちなみに、史也さんから聞いたけど、彼氏いるんだって?」


「うん。いるよ。」


「俺アメリカにいるときずっとエミのこと好きだったんだけどな。」


なんていうから


「えっ?


っその、それはっ。」


「あーっ、もう少し早く会ってたらエミの彼氏に立候補したのにな。


残念。




まー、時間はあるか。」


そう言って岳斗君と冗談混じりに話し込んでいるとあっという間にバイト終わりの時間になった。




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