いつか見つけてね。


その後一通り挨拶を済ませた岳斗が俺の隣にやってくる。

「さっき後でって言ったでしょ。

エミじゃなかった、美穂の事送ってからすぐに来たんだね。


今日のおにぎり美味しかった。


ごちそうさま。」

笑顔で俺に話しかける岳斗はまるでご主人様に相手をしてもらいたい犬みたいになついてくる。


二人でやはりランチを過ごしたんだと念押しされたみたいで俺は少し苛立った。


「別に、

お前が来るとは思わなかった。」


「うん、本当は行くつもりなかったんだけどね。

俺のパーティーに来てくれなかったからね。


でも、少し話ししたかったんだ。


美穂の事でさ。」



俺のこめかみがビクリとひくついた。




「何だ話って。」

早く話せ。

今日はこの後美穂に会いに行くんだから。








「俺もあいつの事が好きだ。


だから俺に頂戴。




兄貴にはまりなさんがいるだろ?」


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