いつか見つけてね。


本当に全く余裕がなかった。

岳斗の存在がここまで俺を臆病にしてしまっているんだ。


思いやる気持ちよりを俺を押し出して美穂を抱いた。

何度抱いても抱きたらない。

しかし先に意識を飛ばした美穂に無理強いなどできず、

ベッドからすり抜けて眠った美穂を横目にキッチンに行く。


夜食を作って待っててくれたのに、それを食べることもできなかった。


生春巻きなんて手の混んだものを作ってくれたのに、美穂が一生懸命作ってくれたんだって想像する。



おにぎりだけで十分なのに。


アメリカで美穂が一生懸命にキッチンに立ってた時のことを思い出した。


あの天使のような美穂が俺のそばにいてくれるだけでなんでも出来る気がする。


岳斗には悪いが俺は絶対美穂を離さない。

俺のやり方でアイツから美穂を守る。


無防備な寝顔を見ると俺も隣で眠りについた。




美穂は起きるとすぐにわかる。

一瞬ビクッと体が揺れてその後おとなしくしているみたいだが頭がきょろきょろ動いてくるから。


俺の寝覚めはいつも美穂が腕の中にいれば最高にいい。


昨日の俺のガキみたいな行動に謝ると、びっくりしたって驚いたみたいだが俺のことを心配してくれた。


そして作った生春巻きを思い出してるから、





「大丈夫。昨日食べた。だからもう少しだけここにいて。それから。」


岳斗と接しないでくれ、と云いたかった。


でも、それは言えず

「うん。なに?」

と心配してくれるから


「美味しかったよ。」それだけいった。


そしていつものように美穂の話に耳を傾けた。









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