いつか見つけてね。
昨日から大掃除を始めたけど、今年は掃除する範囲が少なくていい。

実家は庭の手入れから、階段、客間などの掃除もあるから、いつもお母さんと二人で大変だったから。


今年はアキラさんのマンションだから昨日のうちに掃除が終わった。

それにパーティーのセットもバッチリ。

買い物をして、アメリカにいるときいつもお母さんが準備していたように、

下ごしらえをしておけばパーティーは大丈夫よ、ってお母さんが言ってた。


だから、今日は朝からのんびり。

光信は今日も仕事だって。

パーティーの準備で今日は朝ご飯を作る気になれなかった。


久しぶりにベーカリーで朝ごはんでもしようって準備していると携帯が鳴った。







「岳斗君?

おはよう。


どうしたの?」


仕事もないし、誘っているのは夜だから何かあったのかな?って聞いてみる。


「おはよー。

朝飯食った?」

「まだだけど?」

「今から、フロレンていうパン屋にいくんだけど

一緒に行かねー?


エミの好きそうなもんがいっぱいだからさ。


行けなかったらそのまま適当に夜もって行ってもいいけど。」


「フロレンて、今から行こうと思ってたところ。

久しぶりにワッフルが食べたくてね。



俺今から家出るから迎えに行くよ。」


「え~、悪いからいいよ。


わざわざ遠回りでしょ?」

「いいって。



待ってろよ。ついたら連絡する。」


岳斗君、わざわざ家に迎えに来るなんて。




この頃よく話をしてわかったこと。

岳斗君は寂しいみたい。

両親が忙しくてほとんど一緒に時間を過ごせないし、

それにアメリカから帰ったばかりで友達もあまりいない。


御曹司ということで本当の友達ができないって嘆いてた。



史君の事をお兄ちゃんのように慕ってるから、私と岳斗君は家族みたい。




私もそうだった。

すごく馴染むまで時間がかかったもんね。

私の場合はそんな肩書じゃなくてただの人見知りだったけど。


同い年同士いい友達になれたらいいけどね。






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