いつか見つけてね。
多分史君帰ってくるの遅いから大丈夫だよね?


なんてのんびりとしていたら携帯が鳴り出した。


まだご飯を食べ終わって片付けている最中。


「電話出れば?」


そういう濱野さんに


「うん。

これハイ。」


フキンをカウンターに置いて電話に出る。



「もしもし。


史君、


うん。




うん。




わかった、もうすぐ帰るね。



いいよ、お迎えは。歩いてすぐだから。



バイバイ。」


もうマンションに帰ってきたって、今からドライブ連れてってくれるって。



私は濱野さんにお礼を言って帰ろうとした。


すると、濱野さんが慌てて濡れた手で私の腕を掴む。


「まだ行くなよ。もう少しだけ。





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