いつか見つけてね。
  美穂を探すとソファーの端っこで眠っていた。

みんな忙しそうだったので俺が連れていきますってベッドルームに連れて行く。

女の子らしい淡い色のシーツがかかったベッドに横たえて上げると、俺は思わずそのピンクの唇に俺のをあわせていた。

こんなに愛しいキスをしたのは、初めてだった。  




その後はとうとう親父に俺の素行の悪さがバレて全寮制の学校に入れられた。


もう、後戻りできない、本気を出してあっという間に学校を卒業した。

大学の時にバイトすることが許されていろんなレストランで働いた。



なんか、いろんな料理を作れるようになりたいって思ったんだ。


それは多分あの天使のようなあの子にいつか教えてあげたいって思ってたのかも。



それから、何年たっただろう。


天使のことも忘れてまた遊んだ。


若いときは頭の中がコロコロと変わる。

でも、あの子のことはときどき思い出してた。




日本に戻る前にあいつ、輝夫と話す機会があったからあの家族パーティーのことを聞くと日本に帰ったと言っていた。

もう本当に接点がなくなった。




あいつと兄貴が親友だったのを知ったのはついこの前のことだ。
< 63 / 322 >

この作品をシェア

pagetop