恋愛論
「本当にいいの?」
仁美が心配そうに聞いてきて、あたしは頷く。
仁美まで残すわけにはいかないから。
あたしは仁美と別れてパソコン室に向かった。
…電気が付いてる。
あたしみたいにレポート組かな。
そんなことを思いながら中に入ると、またあいつ。
「早紀じゃん。どしたの?」
人懐っこい笑顔で聞いてくる。
「今日までのレポート。由宇も?」
由宇は首を振って言う。
「ちょっとお勉強。真面目だから(笑)」
ふざけていってたけど、パソコンの画面には一杯の数字や記号。
「本当に真面目」
ぼそっと言ってあたしもレポートの続きを始めた。