恋愛論
「終わった?」
レポートを保存していると、横から由宇が聞いてくる。
あたしが頷くと、戸締まりをし始める。
…もしかして。
「待っててくれたの?」
あたしが聞くと、由宇は笑顔で言う。
「今からレポート出しに行くんだろ?戸締まりは俺しとくから」
「ありがと」
お礼を言って、パソコン室を出る。
もう廊下や、その辺りには誰もいなかった。
足早に提出場所に向かい、レポートを出す。
パソコン室の方を見ると、もう真っ暗だった。
「…忘れてた」
外は土砂降り。
あたしは傘無し。
仕方ないからバス停までダッシュするか。
決心して鞄からタオルを出したときだった。
「おまえ傘ねぇの?」
もう帰っていたと思った由宇。
あたしが頷くと、由宇は傘を開いて言う。
「入れば?」