恋愛論
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「早紀〜!今日の新歓数学科と合同だって」
大学に入学してもう一週間。
友達もできた。
塩屋仁美ちゃん。
あたしと張るくらい可愛い娘。
彼氏はいたけど別れた。
別に悲しくないし。
まだまだ代わりはいるから、遠恋なんてしない。
近くでいい男を探すんだ。
前よりもずっといい彼氏を。
彼氏ってのはある意味自分のブランドなんだから。
「聞いた?数学科にすっごい格好良い人いるんだって。楽しみ〜」
「じゃ、あたし狙おうかな?」
あたしが言うと仁美が笑う。
「せめて見てから決めなよ」
違うよ、仁美。
見なくても噂になるぐらいなら上出来。
十分あたしの価値をあげてくれる。
有力な彼氏候補だよ。