恋愛論
「由宇に彼女が出来るまで。あたしが由宇が川崎さんを忘れるの手伝ってあげる」
「…なんで?」
由宇が不思議そうな顔で聞いてくる。
自分でも、今日の自分の言動は謎だ。
なかなか新彼ができないから、自棄になってるのかもしれない。
「あたしも彼氏いないし、別にいいんじゃない?昔騙してた罪滅ぼし」
そうだ。
由宇といるとあたしのペースが乱される。
ついつい由宇に気を使ってしまう。
それは由宇だけがあたしの裏を知ったうえで別れたから。
あたしが初恋なんて可哀想すぎるから。
「けど…」
まだ何か言おうとする由宇を黙らせる。
そっと口付けて。
「由宇に早く彼女できるといいね」