恋愛論
オムライスを食べ終えると、あたしと由宇は並んでテレビを見た。
今人気の恋愛ドラマ。
「ねぇ、由宇」
あたしが話し掛けると由宇はあたしを見る。
何?って優しく目で聞いてくる。
「由宇の思う好きってどんなの?」
柄に合わないと思った。
けど最近よく思う。
「うーん」
由宇はあたしをからかったりせずに、真剣に考える。
「相手の幸せを願える事…かな」
「相手の幸せ?」
「そ。自分の利益とか全部考えられないくらいに、相手のことだけを思えること」
自分の利益は考えない?
相手のことだけを?
「あたしには一生無理かも」
あたしが小さな声で言うと、由宇は首を振る。
「早紀もいつか出来るよ、絶対」
それだけのことが自分の不安を取り除いてくれる。
これじゃぁ、あたしが由宇に支えられてるみたいだ。
「ありがとね」
あたしは小声でそう言った。