恋愛論
凌があたしのブラに手を掛けたとき。
パソコン室のドアが開いたのは。
「早紀呼んだ?」
これはあたしの見間違い?
入り口から近づいてくる由宇。
凌の手を退かして言う。
「嫌がってんの、わかんねぇの?」
あたしはその場に座り込んで、二人を茫然と見る。
「お前みたいなのには、早紀は黙って任せられない」
由宇がそんなことを言うから、これは夢だろうか。
「悪いけど、別れて」
由宇が怖い顔で凌に言う。
「何でお前なんかに…」
りょうも負けずに言い返そうとする。
そんな凌の言葉を遮り、由宇はあたしを見る。
「早紀は?早紀の気持ちは?」
真っすぐな由宇の目。
ずっと、あたしもそんな目に憧れてたんだよ。
「凌、ごめん」