月夜のメティエ
「分かった。あとで連絡するよ」
「2人とも、またいらっしゃいね。ありがとう~」
「ごちそうさまでした」
コートを着ながら壱路ママにおじぎをする。入る時に通った通路の中あたりで奏真が待ってる。いつの間にか、彼も黒いコートを着ていた。壱路ママに預けていたのだろうか。店内が暖かかったからだろう。ひんやりとした空気が頬に当たる。
さっき突然開いてびっくりした鉄のドアを横目に、あたし達は地上への階段をのぼって行った。
ちょっと飲みに行くぐらい良いだろう。同級生同士なんだもの。
奏真の横を歩きながら、目に入るネオンにいいわけをした。
少し歩いて、入った焼き鳥屋。カウンターと座敷で、座敷に通された。2階もあるようだったけど、宴会客が入ってるとかで、奥の席に案内された。
「ここ知ってる店?」
さっきもたもた着たコートをまたもたもた脱ぎながら、そう奏真に聞く。奏真はもうメニューを見ていた。
「知らないよ。相田は知ってる?」
「知らなーい」
「適当だな」
「奏真くんもねー」
ここで良いか~なんて2人で入ったんだしね。そんなもんだよね。2人とも適当だな。
焼き鳥は塩が良いよねなんて言いながら、あれとこれとと頼んで、奏真はハイボール、あたしはビールを頼む。奏真、「ICHIRO」で既にビール2杯飲んでるけど。けっこう飲むんだなぁ。
「おつかれさまー」
乾杯。焼き鳥を食べられるのが嬉しかった。
「この1杯の為に働いてるなって感じるよね」
ビールを飲んで焼き鳥を食べた。思わずそう口に出していた。
「おっさんか」
「そう、あたし中身はおっさんだもん」
酔って陽気なこういう雰囲気、とても楽しいよね。友達と飲んでる時も真面目な話も笑い話も、時間足りないくらい喋ってる。
「2人とも、またいらっしゃいね。ありがとう~」
「ごちそうさまでした」
コートを着ながら壱路ママにおじぎをする。入る時に通った通路の中あたりで奏真が待ってる。いつの間にか、彼も黒いコートを着ていた。壱路ママに預けていたのだろうか。店内が暖かかったからだろう。ひんやりとした空気が頬に当たる。
さっき突然開いてびっくりした鉄のドアを横目に、あたし達は地上への階段をのぼって行った。
ちょっと飲みに行くぐらい良いだろう。同級生同士なんだもの。
奏真の横を歩きながら、目に入るネオンにいいわけをした。
少し歩いて、入った焼き鳥屋。カウンターと座敷で、座敷に通された。2階もあるようだったけど、宴会客が入ってるとかで、奥の席に案内された。
「ここ知ってる店?」
さっきもたもた着たコートをまたもたもた脱ぎながら、そう奏真に聞く。奏真はもうメニューを見ていた。
「知らないよ。相田は知ってる?」
「知らなーい」
「適当だな」
「奏真くんもねー」
ここで良いか~なんて2人で入ったんだしね。そんなもんだよね。2人とも適当だな。
焼き鳥は塩が良いよねなんて言いながら、あれとこれとと頼んで、奏真はハイボール、あたしはビールを頼む。奏真、「ICHIRO」で既にビール2杯飲んでるけど。けっこう飲むんだなぁ。
「おつかれさまー」
乾杯。焼き鳥を食べられるのが嬉しかった。
「この1杯の為に働いてるなって感じるよね」
ビールを飲んで焼き鳥を食べた。思わずそう口に出していた。
「おっさんか」
「そう、あたし中身はおっさんだもん」
酔って陽気なこういう雰囲気、とても楽しいよね。友達と飲んでる時も真面目な話も笑い話も、時間足りないくらい喋ってる。