月夜のメティエ
◆アリコート
◆アリコート
たとえば。
子供の頃飼っていたインコが死んだ時は悲しかったから、弟と一緒に泣いた。でも朝起きてご飯食べて、学校へ行かなくちゃいけなかった。
これから歳を取って、両親のどちらかが死んだり、兄弟が死んだりしても、ご飯作って食べて寝て、生活していく。普通に。
恋を無くしたぐらいで、会社を休むわけにいかないんだ。朝、起きたくなくても、目が腫れていても、食欲が無くても、メールが来て無くても電話が鳴らなくても。
「珍しいね、メガネ。似合うじゃん~」
カズヨ先輩が誉めてくれた。目がごろごろして、コンタクトが痛かったのだ。だから今朝はメガネ。極度の近眼ではないものの、メガネやコンタクトが無いとちょっと見えにくい。
「ものもらい出来ちゃって。目、腫れてるんですよ」
メガネを直すふりをして、隠した。見られたくない。
「病院行ったほうが良いよ。両方なるよ。あたし経験ある!」
「え、怖い!」
心が沈んでいても、たとえ泣いて眠っていようが、普通に振る舞わないといけない。
たとえば。
子供の頃飼っていたインコが死んだ時は悲しかったから、弟と一緒に泣いた。でも朝起きてご飯食べて、学校へ行かなくちゃいけなかった。
これから歳を取って、両親のどちらかが死んだり、兄弟が死んだりしても、ご飯作って食べて寝て、生活していく。普通に。
恋を無くしたぐらいで、会社を休むわけにいかないんだ。朝、起きたくなくても、目が腫れていても、食欲が無くても、メールが来て無くても電話が鳴らなくても。
「珍しいね、メガネ。似合うじゃん~」
カズヨ先輩が誉めてくれた。目がごろごろして、コンタクトが痛かったのだ。だから今朝はメガネ。極度の近眼ではないものの、メガネやコンタクトが無いとちょっと見えにくい。
「ものもらい出来ちゃって。目、腫れてるんですよ」
メガネを直すふりをして、隠した。見られたくない。
「病院行ったほうが良いよ。両方なるよ。あたし経験ある!」
「え、怖い!」
心が沈んでいても、たとえ泣いて眠っていようが、普通に振る舞わないといけない。