sweet memory ~奏大side~
「心配してくれるお前の気持ちはわかる。だけど、例え俺の記憶がなくたって花菜に対する思いは過去も今も変わらない」
「奏大…」
「前にも言ったが、例え、花菜が記憶が戻らなくても、もう一度一から2人で築き上げれば問題ない。花菜が側にいるだけでいいんだ」
「……」
「わかったらそれ以上何も言うな」
「…あぁ、悪かった。昔の約束を律儀に守るお前に、応援していたから協力をしていたはずだったのに、実際お前らが一緒に過ごすようになったことで、花菜にはお前の記憶がないんだなって改めて感じて、俺の決断が本当に正しかったのか、急に不安になってたんだ」
「創…」
「あー…悪かったな。第三者の俺がとやかく言うことでもないし、弱気になるだなんて変だよな。もうこんなバカなことは言わないから安心しろ。俺ら雨宮兄弟は、お前を花菜の相手として認めているし、応援してるんだからよ」
「…お前にも心配かけて悪かった」
「なーに、俺が勝手に不安になってただけさ。…なぁ、奏大。花菜と幸せにな」
「あぁ…もちろん」
そう言い切った奏大の表情を見て、創は安心したのか、笑みを浮かべていた。