sweet memory ~奏大side~
「花菜ちんのお迎え、ちゃんと行ったぞ」
「……あぁ」
「あっ、それから花菜ちんに言っといたから」
「……何をだ?」
「ん?奏大の帰宅時間とか、来週末くらいから忙しくなってこと」
「あぁ…だから今朝あんなことを聞いてきたのか」
「お前、自分じゃ絶対に花菜ちんに言わないだろうからな」
「……」
「図星だろう?」
「…まぁ、間違っちゃいないな」
「昔からそうだけど、お前本当に肝心なこと言わないよな」
「……」
「だから花菜ちんが不安になるんだろう?」
「……」
「昔みたいなことがないように、俺が知り得る情報は花菜ちんに流しておこうと思ったんだよ」
「淳平…」
「お前らには幸せになってほしいからな…」
「……」
そう言った淳平の表情は、あの日の出来事を思い出しているかのようで、辛そうな表情をしていた。