sweet memory ~奏大side~
「奏大さん、お帰りなさい」
「あぁ…ただいま」
「そう言えば大丈夫でしたか?」
「ん?何がだ?」
「ほら、指輪とストラップです」
「あぁ…。プライベート用は仕事中に使うことはないから問題ない。まぁ、指輪に視線がいくこともあったが、そんなに質問攻めにされたわけじゃないから大丈夫だ。まぁ、しつこかったのは淳平くらいだ」
「そうなんですね」
「……そんなことを聞くと言うことは、大変だったのか?」
「もう凄かったです!穂波ちゃんが朝一で見つけて色々聞かれて…」
「穂波…」
奏大は、花菜の口から出てきた『穂波』という名前に反応した。
何故なら、奏大の妹の名前も『穂波』と言い、花菜と同じ年齢なのである。
妹が何処の高校に通っているかまでは知らなかった奏大は、花菜が言う『穂波』という存在は果たして偶然なのかわからず、眉間に皺を寄せて悩んでいた。