sweet memory ~奏大side~
「それはそうと、さっきMYU-cloverの社長からお前に電話が掛かってきてたぞ?席を外してると言ったら切れたんだけど…」
「わかった」
「指輪できたのか?」
「さぁな」
「にしても、よく花菜のために1年も前から準備するよな」
「……」
「だって指輪だけじゃなくて、婚約発表会の衣装まで注文してるんだろう?」
「…何が言いたい」
「いや、尊敬するなぁと思ってさ。お前、怖くないわけ?アイツは、お前に関する記憶がないんだぜ?」
「…怖くないって言ったら嘘になるが、そもそもの原因は俺だ。例え、花菜が記憶が戻らなくても、もう一度一から2人で築き上げれば問題ない」
「奏大…」
「花菜が側にいるだけでいい。気持ちなんてあとからでも構わない」
奏大のただならぬ覚悟を聞いた創は、何だか胸が締め付けられるような思いがした。