sweet memory ~奏大side~




帝王ホテルに着くと、正面玄関で奏大のことを降ろし、創は地下の駐車場へと車を止めにいった。


すると、奏大はいきなり後ろから誰かに抱きつかれた。
振り返ると、それは野上麻衣だった。









「何をする。離れろ」

「もう!奏大くんったら冷たいのね」

「お前とはそういう関係ではない」

「そんなのわからないじゃない?」

「いや、俺はアイツ以外は受け付けない」








そう言うと、奏大は野上麻衣を引き離し、ホテルの中に入っていった。
野上麻衣も悔しそうな表情をしながら、奏大の後を追った。


まさか、この光景を花菜が車の中から見ていたとは、なんと残酷な運命なのだろう。
そのことに、車の運転をしていた淳平すら、気付いていなかった。






< 167 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop