sweet memory ~奏大side~
『もしもし?奏大さん?』
「あら残念ね。奏大くんじゃないわよ」
野上麻衣は電話に出て、その相手が誰だか気付いてしまった。
そして、何を思ったのかプライベートルームに繋がっているドアを開けた。
すると、簡易的に作られているものらしく、シャワーを浴びている音が響いていた。
これは使えると思ったのか、野上麻衣はニヤリと笑っていた。
『何で奏大さんの携帯に貴女が出るの?』
「あぁ…奏大くんなら今、シャワーを浴びてるわよ。聞こえるでしょ?シャワーの音」
『っつ……』
「あら、ちゃんと聞こえたみたいね。…あっ、奏大くんが出てきたわ。変わる?」
『…』
「おい…俺の携帯で誰と電話してる」
『っ…か、な…た…さん…。イヤッ』
そう聞こえたかと思うと電話は切れてしまった。