sweet memory ~奏大side~
「ちゃんと知ってるんだからっ!花菜が言ってたもの。奏兄が…あの女と男女の仲だって…。花菜に会う度に、あの女が花菜に奏兄とのこと色々言ってきてたのだって全部聞いて知ってるんだから!」
「俺も花菜ちんと野上麻衣が接触してたの知ってるよ」
「おい…それはどういうことだ!?」
穂波は花菜から聞いた話を全て打ち明けた。
最初は冷静に聞こうとしていた奏大であったが、眉間に皺を寄せるばかりで、苛つきを抑えられないでいた。
「ねぇ、奏兄。政略結婚だかなんだか知らないけど、花菜を大切にできないなら…」
「おい…誰と誰が政略結婚だって?」
「違うの?花菜がそう言ってたけど…」
「っ…!」
「ヤバイ…」
「律?」
「アイツが政略結婚だって思ってるの、俺のせいかも…」
律は奏大と顔合わせした時に、花菜の発言を訂正しなかった事を思い出した。
創は不思議に思いつつ、律に問い掛けた。