sweet memory ~奏大side~
「俺は妹が嘘を平気でつくような奴ではないと信じている。悪いが、同級生というだけで、馴れ馴れしく接してくるお前より、ずっと信頼している」
「っつ…」
「花菜とはあの日以来会ったことがないと言っていたが…妹から聞いている話とは随分違うよだ。随分と花菜に向かって酷い言葉を言っていたようだな。お前にキスマークをつけただと?誰がそんなことをした?平気で嘘をついて人を陥れようとしていたのは、お前の方だろう?」
「っ……」
奏大がそう言うと、野上麻衣は何も言えなくなってしまい、顔を俯かせてしまった。
今まで自分が花菜に言ってきた嘘の数々が奏大に知られてしまい、何も言い返せなくなってしまったのだ。
奏大の眼差しは、軽蔑しているかのような目つきであり、野上麻衣は何と切り出して良いのやらわからず、涙を流していた。