sweet memory ~奏大side~
「お前より花菜が劣っているだと?…悪いが俺はそうは思わない。今も昔も、俺にとって大切な人は変わっていない」
「えっ…でも…」
「今も昔も、これからの未来も全て、大切な人は花菜以外にはありえない」
「嘘……だって、えっ?私達が中学の時の話よ?その頃彼女は…えっ?ちょっ…どういうこと?」
「その頃はまだ6歳の女の子だった。奏大はまだ幼い花菜ちんのことを本気で好きだったんだよ。だから、お前がいくら頑張ったって、花菜ちんには勝てないんだよ」
「……そんな……」
淳平の言葉に、混乱している様子の野上麻衣。
しばらく何かを考えているようで、何も言葉を発しないでただ床を見つめていた。