sweet memory ~奏大side~
次の日。
花菜は目を覚ましたんだ。
けれど、まさか最悪の事態になっているとは思わず、俺たちは耳を疑ったんだ。
「花菜、大丈夫か?」
「創くん…」
「何処か痛いところはあるか?」
「大丈夫」
「…良かった」
「花菜ちん心配したんだよ?」
「………」
「花菜??」
「ねぇ、創くん。りっくん。このお兄さんたちはだあれ?」
「「「「!!」」」」
「花菜、覚えてないのか?」
「覚えてない?花菜の知ってる人?」
「だってお前奏大のこと…」
「花菜、嘘だろう?」
「そうだよ。あっ、花菜ちん奏大がいなくなるのが嫌で嘘を言ってるんでしょ?」
「やだ、花菜知らない!本当に知らないんだもん!」
そう言いながら、花菜は大泣きをしていた。
創に慰められている姿を見て、頭が真っ白になると同時に、本当に花菜は俺のことを忘れてしまったのかとこの状況を信じられないでいた。