sweet memory ~奏大side~




再会したことで記憶が戻るんじゃないかと、淡い期待をしたが、叶うことはなかった。





記憶のない花菜に、自分の思いを押し付けるのはどうかと思ったが、そうせずにはいられなかったんだ。
だから留学先から帰ってきたあの日、花菜に宣言したんだと思う。









「8年後、記憶が戻っていなくても、俺は約束通り迎えに行く。だからその時までは……もう会わない。花菜…必ず16才になった時に迎えに来る。その時まで会えないのは残念だが…俺はいつも近くにいるから」








そう言って、花菜の側から離れたんだ。




< 235 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop