sweet memory ~奏大side~
「今日、呼び出したのは…花菜さんのことで聞きたくて無理を承知で呼び出したんだ」
「花菜のことで?」
「親父がさ……花菜さんが入院したって聞いたらしくてさ。それについて聞きたくて」
「目が覚めてないと聞いたんだが、そこんところどうなんだ?もし、今後も目覚めないなら婚約者の……」
「親父」
奏大はその後に続く言葉を防ぐように区切った。
「俺には花菜以外考えられない。昔から俺にとって大事な女は花菜ただ1人なんだ」
「…どういうことだ?」
「実は、俺たちが会ったのは、あの日親父たちに紹介した日が初めてじゃないんだ。花菜は覚えていないがお互い昔からの知り合いなんだ」
そう言うと、奏大は今まで起こった出来事について説明を行った。
奏大の話に、会長も社長も心苦しそうに聞いていた。