sweet memory ~奏大side~
「っ…昔は窮屈だ、脱ぎたいって泣いていたのにな…」
そう。
自分が知っている幼い頃の花菜は、よく着物が嫌で泣いていたのだった。
会わない間に彼女が成長していることに驚いた。
そして、その言葉が聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だった為、花菜には上手く聞こえていなかった。
「えっ?何か言いましたか?」
「いや。どちらにせよ、着替えは必要だな」
そう言うと、奏大は何処かへ電話をかけ始めた。