sweet memory ~奏大side~
それから花菜の検査が終わったのは、本当に夕方であった。
「おかえり~」
「花菜ちん、検査はどうだった?」
「何ともないって。ただ…一週間以上も寝たきりだったから、2日は入院しなきゃいけないみたい。それで月曜日に何も異常がなければ退院して良いって」
「そっか…。早く退院できるといいわね」
「うん」
「退院する頃には1学期が終わっちまうな」
「あ…そうだね」
花菜は一瞬しょんぼりした表情をしていたが、直ぐに笑顔になり、元気を取り戻していた。
そんな花菜の様子を奏大は見逃さなかった。