sweet memory ~奏大side~
「あら、遅かったわね」
「こいつら、外で話をしていたんだ。俺が行かなきゃ、いつまで外で話をしていたんだか…」
「まぁ、そうなの?」
「そんなことより…、花菜。退院おめでとう。見舞いに行けなくて、すまなかったな」
「ううん、創くんから聞いたよ。パパもママもお弟子さんと一緒に地方に行ってたんでしょ?お仕事だし、仕方ないよ」
「花菜…」
花菜の母親である千裕は、娘の言葉に胸を痛めていた。
何故自分達は娘のピンチの時に限って、大切な仕事とはいえ側にいてあげられないのだろうと、後悔の表情をしていた。
そんな母親の表情を敏感に察知したのは、長男である創だった。