sweet memory ~奏大side~
それから2人は夕食を食べに出掛けた後、夜の砂浜を散策していた。
「星がキレイだね」
「あぁ。東京じゃなかなか見れないからな」
「東京でも見れればいいのに…」
「あぁ…」
2人は、コンクリートの段差に腰掛けた。
すると奏大は、花菜の肩を抱き寄せた。
「なぁ、花菜」
「うん?」
「これから何があろうと、俺が絶対花菜のことを守る。もう二度と花菜のことを悲しませることがないようにする」
「奏くん…」
「結婚してくれてありがとう」
「ううん。それは私の台詞だよ。本来なら、小さい子の言っていたことを守るなんてことはしないと思うの。記憶がなくなっていたとはいえ、昔も今も私は奏くんのことが大好き。だから、昔の約束を守って迎えに来てくれてありがとう」
「花菜…」
奏大は花菜のことを抱きしめた。
しばらくの間、2人は何も言葉を発しなかった。