sweet memory ~奏大side~
「ピアスは男性の装飾品で、愛する女性を“己の勇気と誇りを掛けて守る”と言う誓いが、左側のピアスには込められていて、対になった右側のピアスを、女性に贈る事でその意志と想いを告げたとか。それを受け取った女性は、愛する男性の“その想いに答える”と言う想いを込め、男性と密接する右側に着け、告げられた想いに答えたんだと」
「知らなかった。だから奏くんは左耳にピアスを付けてるんだね」
「あぁ…」
「でも、せっかく貰ったけど私、ピアスホール空いてないよ?」
「あぁ、知ってる」
「まさかとは思うけど…今空けるなんて言わないよね?」
「…そのまさかだ」
「っ!!」
奏大のまさかの発言に、花菜は驚きを隠せないでいた。
ここでピアスホールを空けようとは、誰が想像しただろうか。
奏大は花菜の後ろに周り、後ろから抱きしめた。
そして、何を思ったのか、花菜の右耳を舐めた。
いきなりのことに、花菜は驚いて、変な声を上げてしまった。