sweet memory ~奏大side~
*春
あれから月日が経つのは早いもので、もう3月となっていた。
「なぁ、奏大」
「何だ?……まだ仕事中だが…」
「いいじゃん。就業時間は過ぎてるんだし」
「まぁ、良いが…。それで用件は?」
「あぁ、そうそう。俺たちの新居決まったから、報告しておこうと思って」
「そうか」
「あれ?場所は聞いてくれないの?」
「……そんなに喋りたいなら、もったいぶらないで喋れば良いだろう?」
奏大は眉間に皺を寄せながら、創の方を向いた。