sweet memory ~奏大side~
「水族館に行きたいです」
「…水族館…」
「ダメ…ですか?」
「いや…。余程水族館が好きなんだなと思っただけだ」
「良かった。私、小さい頃から水族館が好きなんです。楽しみだなぁ」
目的地が決まり、奏大は車を走らせた。
走行中、花菜は自分がどれだけ水族館が好きなのかを語っていた。
そんな花菜の話を、奏大は止めることなく聞いていた。
「着いたぞ」
「わー…!久しぶりに来ました」
「そうか…」
「奏大さん、早く行きましょう」
「…あまりはしゃぎすぎると迷子になるぞ?」
楽しそうな花菜の後ろ姿を微笑んで見ていた奏大。
しかし、途中で花菜を見失いそうになり、はぐれそうになってしまった。
慌てた奏大は、花菜の肩を後ろから掴んだ。