sweet memory ~奏大side~
「…言ったそばから迷子になるな」
「ごめんなさい」
「ったく……ほら」
「えっ?」
「手、繋いでいたら迷子にならないだろ?」
「…はい!」
そう言うと花菜は、差し出された奏大の手に、自分の手を乗せた。
戸惑いもなく、すんなりと手を差し出した花菜に、奏大は内心喜んでいた。
それから2人は、手を繋いだまま水族館を見て回った。
時折、寄り添いながら魚を見たり、触ったりしている中で、2人の距離感が縮まってきた。
そんな状況に奏大は喜んでいた。
それは奏大の表情からも読み取れるくらい、顔が緩んでいた。