ケイと暮らすようになりどれくらい経ったのかもはや覚えていないけれど、拾った日は身を切るような寒さだったことだけははっきりしている

ケイを拾った理由のうちに、凍え死んだら困るという感情もあったことも覚えている


最初から人懐こそうだったケイは、しかししばらく警戒心を解くことはなかった

同じ空間で過ごしても、話しかけられないようなんとなく結界をはっていて、家に帰るのは本当に眠るときだけだった

今では向こうからいろいろ話を聞いてくるし、たまに私のベッドで丸まって寝ているのを見ると思わず笑みがこぼれる

…眠れないのは私の方だった





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