レンタル彼氏【完全版】
「あ、伊織~」


ガチャリと隣で扉が開く音がした後、その声がした。

振り向くと、目が覚めるぐらいの美少年な聖がいた。


こいつも俺と同じSランク。
得意の甘いマスクで女を惑わす。
まあ、陰はかなり腹黒だけど。


それは俺も負けてないか。



「どこ行くの?」


犬みたく俺に近づいて、なつっこく聞く。
俺には出来ない芸当。
きっと聖は素でやってるんだろう。


そんな聖が時々羨ましくも思う。



「今から飯買いに行く」


「俺も行くっ」


ニコニコとくっついてきた聖に、軽く息をつきながら俺はエレベーターのボタンを押した。



「伊織、最近どう?」


「…まあ、ぼちぼち」


「俺さー今の客ちょーリピさんなんだけど本当にきついんだよね」


「ああ、あのちょーS女?」


「そう!」



聖は顔を膨れさせながら話した。
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